電子材料、磁気材料、研磨剤には、それぞれ独自の特性があり、ミルで粉砕するときにともなう課題も異なります。
以下に、これらの材料を粉砕する際に生じる典型的な課題や摩耗性について説明します。
電子材料は、セラミックスや酸化物、導電性材料(例:銅、銀など)が含まれます。
電子材料には硬度が高いものが多く、とくにセラミックや酸化物はミルのライナーや粉砕媒体に対して強い摩耗を引き起こします。
このため、摩耗に強い材料で作られたミル部品を使用する必要があります。
純度が非常に重要なため、粉砕媒体やミルの内部からの異物混入が許されません。
材料のコンタミネーションを防ぐため、非金属の粉砕媒体やライナーを使用することが求められる場合があります。
粉砕中に発生する熱が材料の特性に影響を与えることがあるため、温度管理が重要です。
磁気材料には、フェライト、ネオジム磁石などが含まれます。
磁気材料も硬度が高いものが多く、とくにネオジム磁石などはミル内での摩耗が問題となります。
また、粉砕中に磁化された粉末がミル内部に付着しやすく、摩耗を促進させることがあります。
粉砕媒体やミルの一部が磁気を帯びることで、材料の処理や清掃が困難になる場合があります。
このため、非磁性の粉砕媒体を使用することが求められる場合があります。
とくにネオジム磁石などの材料は酸化しやすく、粉砕中に酸化を防ぐための雰囲気制御などが必要(例えば、窒素ガスを使用した不活性雰囲気)になることがあります。
研磨剤には、シリコンカーバイド、アルミナ、ダイヤモンドなどの非常に硬い材料が含まれます。
研磨剤は非常に高硬度であるため、粉砕媒体やミルライナーに対して極端な摩耗を引き起こします。
研磨剤は特定の粒度を厳密に管理する必要があり、過粉砕や微細化しすぎると性能が低下する可能性があります。そのため、ミルの運転条件を厳密に制御することが求められます。
研磨剤は非常に高純度が要求されるため、コンタミネーションが許されません。粉砕中に摩耗したミル部品が混入するリスクを最小限に抑える必要があります。
これらの材料を粉砕する際の共通の課題としては、摩耗の激しさと異物混入の防止が挙げられます。
とくに高硬度材料や磁気材料を扱う場合は、ミル内部の摩耗や汚染を抑えるために、適切な粉砕媒体やライナーの選定、運転条件の管理が不可欠です。
また、材料の特性に応じた温度管理や雰囲気制御も重要なポイントとなります。
振動ミルであれば、今までに上げた多くの課題が軽減できます。
振動ミルは高周波の振動を利用して粉砕を行うため、粉砕媒体やミル内部のライナーにかかる負荷が分散されやすく、摩耗が比較的少なくなります。ただし、非常に硬い材料の粉砕では、振動ミルでも摩耗が発生する可能性があるため、耐摩耗性の高い材料(たとえば、セラミックや硬質合金)を使用することで対応します。
振動ミルは構造がシンプルで、内部のクリーニングが比較的容易です。また、粉砕媒体やライナーに高純度のセラミックや非金属材料を使用することで、コンタミネーションを最小限に抑えることができます。ただし、完全に防ぐためには定期的な清掃と適切な材料の選定が重要です。
振動ミルはエネルギー効率が高く、粉砕による発熱がボールミルなどに比べて少ない場合があります。しかし、長時間の粉砕や非常に硬い材料の粉砕では依然として温度が上昇することがあります。この場合、ミルの冷却システムを導入することで温度管理を行い、過剰な熱による材料の劣化を防ぐことができます。
現在のミルの性能よりもより衝撃力が強いものを必要としていました。さらに「バッチ式にも連続式粉砕も検討したい」「粉砕原料の投入、排出時に粉砕原料の飛散防止をしたい」という要望もあり、ボールミルから振動ミルに変更。
振動ミルはボールミルの10〜20倍の粉砕力があり、強さの面はまったく問題がありませんでした。また中央化工機の振動ミルはバッチ式と連続式のラインナップがあり、粉砕時間によりどちらの機種にも対応可能。粉砕原料の供給装置及び原料排出ホッパーをフレキシブルチューブで繋げることにより密閉系で原料供給、排出を可能としたことで、飛散も防止できました。
企業からは「粉体のカサ密度UPにより製品特性が良くなった」という声だけではなく、「粉砕原料の粉砕機外への飛散が防げるようになったことで、製造現場の雰囲気が良くなった」という意外な喜びの声も出たそうです。
振動乾燥機の製造で名を馳せる中央化工機社の振動ミルは、ライナー交換の容易さ、ライナー素材の豊富さなどの工夫を取り入れ、メンテナンスが楽なのが特徴。
試験研究用小型振動ミルから、上下二段の粉砕筒でシリーズに連続で原料を微粉砕できる連続式まで、全5型をラインナップ。
1961年に国内初となる振動ミルを発表。以来、振動エネルギーを活用した粉砕機・乾燥機の業界を牽引してきました。
設計段階から完全オーダーメイドで行い、その後の製作、試験、配線・配管などの据付施工までワンストップで対応しています。